今年の始め、本田圭佑が加入したことでも知られるブラジルリーグのボタフォゴFR。日本ではあまり馴染みのないブラジルリーグだが、本田の加入により今後は今まで以上に注目を集めることになるであろう。今回はボタフォゴFRの歴史から現在の所属ディビジョン、所属メンバー等々についてまとめてみました。
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ボタフォゴFRとは
ボタフォゴFRの正式名称は「Botafogo de Futebol e Regatas」といい、1942年12月8日クラブ・デ・レガタス・ボタフォゴとボタフォゴフットボールクラブの合併から誕生したクラブになる。ちなみにFRは合併した両チームの頭文字からつけられている。
本拠地はリオデジャネイロ州になり、同州のフラメンゴ、フルミネンセ、バスコ・ダ・ガマと並び、国内での人気、知名度ともに高いクラブである。
ブラジル全国選手権1部での優勝経験はこれまで1回と少ないものの、州選手権やその他のカップ戦を合わせたタイトル数は50を超え、ブラジル国内でもビッククラブの位置づけになるであろう。また近年の大きな話題では、オランダ代表のクラレンス・セードルフが在籍したことでも知られる。ちなみに今年のJリーグでは、マリノスのエリキや甲府のラファエル、広島のエゼキエウなどがボタフォゴで活躍していた。
所属ディビジョン
現在はカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル全国選手権1部)に属している。リーグ戦においては95年の優勝以来目立った成績を残せていなく、2000年以降では2013年の4位が最も良いシーズンとなっている。ちなみに降格は2003年と2015年の2回となり、いずれもセリエBのみの降格となる。
95年以来のボタフォゴ旋風を巻き起こせるか...クラブの歴史に名を刻める可能性が十分にあるため、「有言実行」の本田圭佑に今年は大注目だ。
所属の州リーグ
全国選手権と並び主要リーグの位置づけにあたるブラジル州選手権。ボタフォゴはリオデジャネイロ州のチームの為、リオデジャネイロ州選手権(カンピオナート・カリオカ)に属する。リオにはボタフォゴの他に、フラメンゴやフルミネンセ、バスコ・ダ・ガマ等の強豪クラブも属しており、ボタフォゴも含めて「ビッグ4」の愛称で呼ばれている。
全国選手権とは異なり、リオの州選手権では優勝が21回と多くの優勝回数を誇る。しかし、ビッグ4の中ではバスコに次いで4番目の優勝回数であるため、リオの中でも4番手のイメージが強いかもしれない。
ボタフォゴの主な実績と記録
上記はこれまでの実績をまとめたものとなる。ファン、サポーターにとっては、そろそろブラジレイロでの優勝が欲しいところであろう...!?
そして、実はボタフォゴは国内でいくつかの記録を残してきている。公式戦52試合と全国選手権42試合の無敗記録を持っており、いずれも1977年から1978年の記録となる。さらに1909年には州選手権にて1試合当たりの最多得点記録もたたき出しており24-0でSport Club Mangueiraとうクラブに勝利している。
ボタフォゴ現所属メンバー
注目選手は、次期セレソン入りも期待される右サイドバックのマルシーニョや本田とポジションを争う可能性もある左ウインガーのブルーノ・ナザリオ、現役パラグアイ代表のGKロベルト(ガティート)・フェルナンデスなど。また今シーズン、アトレチコ・ゴイアニエンセより獲得したFWペドロ・ラウルもエース候補となり注目は高い。
それから監督にも注目してほしい。2006年に鹿島、2015年にセレッソを指揮したJリーグを知る監督でもある、パウロ・アウトゥオリがボタフォゴを率いる。Jリーグではあまり凄腕監督の印象はないが、ブラジル国内では数々の実績を残しており、名の通っている監督である。
ボタフォゴの元Jリーガー
日本人目線で注目を挙げると、前述でも述べたように、鹿島とセレッソで監督経験があるパウロ・アウトゥオリがボタフォゴを率いており、さらに左サイドバックには2018年にジュビロ磐田に在籍していたギレルメがいる。その他日本人選手とプレー経験ある選手では、GKのジエゴ・カバリエリはチェゼーナ時代に長友とプレーをしており、ボランチのシセロ・サントスはボルフスブルク時代に長谷部とプレーをしている。日本人を知っているという点ではブラジルサッカー初参戦の本田圭佑にとって非常に心強い存在である。
ボタフォゴのスタジアム
ホームスタジアムは2007年に完成した「ニウトン・サントス」別名「Engenhão」といい、約4万5000人収容の巨大スタジアムとなる。
ニウトン・サントスのこけら落としとなった2007年の対フルミネンセ戦では2-1と勝利をおさめた。さらにその日の観客43,810人は未だに破られておらず、最多の入場者記録となっている。
ボタフォゴのユニフォーム
ホームカラーはブラックとホワイトのストライプとなり、アウェイはブラック、サードはホワイトとなる。ボタフォゴの伝統的な黒白の縦縞はあのユベントスをモチーフにしたとも言われている。
また2020シーズンより、トッパーからKappaにユニフォームサプライヤーが変更された。
ブラジル国内に複数存在するボタフォゴ
ブラジル国内には、「ボタフォゴ」という名が付くクラブや、似たようなクラブロゴのチームが多く存在する。よく誤解を生むケースとしては、サンパウロ州の「ボタフォゴSP」やパライバ州の「ボタフォゴPB」などを誤ってボタフォゴFRと認識してしまうことがある。ちなみに両チームの正式名称は、Botafogo Futebol Clubeで通称「ボタフォゴFC」ともなる為、「SP」や「PB」と州の名前をとって表記されることが多い。
両チームとも3部から4部を行き来しているようなチームなだけに、FRの意味合いは非常に重要であることがわかる。
ボタフォゴの放送に関して
現在のところ、日本国内でブラジル全国選手権を放送しているところは無い。ただ、日本サッカー界のスターである本田圭佑の加入により日本国内で放送が始まる可能性は高いと思われる。DAZNが日本上陸の初期に全国選手権のハイライトを配信していたこともあるので今後に期待したい。